味噌を知る
原料はシンプルな、 自然の恵み
味噌は、私たちにとってもっとも基本的な調味料。主原料は煮るか蒸した大豆、麹、食塩の3種類。じっくり時間をかけて発酵・熟成させて味噌が誕生します。
-
大豆・脱脂加工大豆
大豆の主成分であるたんぱく質が、麹菌により分解され、うま味成分のアミノ酸が生まれます。 -
麹
たくさんの酵素を生成している麹は、その酵素の働きによって味噌を発酵・熟成させる働きがあります。 -
食塩
塩味のもとになるのをはじめ、有害な微生物の発生を抑えると共に、発酵に必要な微生物を増やすという重要な働きがあります。
おいしさの 秘密は?
味噌の魅力は色・味。これらは微生物の働きで原料が変化し、互いに作用し合って生まれます。
- 色
- 味噌の色は白味噌・淡色味噌・赤味噌の3種類があります。発酵中に原料の大豆・米・麦などに含まれるアミノ酸が糖と反応して褐色に変化するメイラード反応がおこるために出来上がりの色が変わります。また、大豆など原料の種類や大豆を蒸す煮る、麹の量、発酵中の返す回数などによっても変わってきます。
- 味
- 味噌は味は主に甘味噌・甘口味噌・辛口味噌の3つに分けられます。 味は食塩の量と麹歩合でつくられます。麹歩合とは原料の大豆に対する麹の比率のことです。塩分が同じなら、麹歩合が高いほうが甘口に仕上がります。
味噌 耳より情報
- 味噌のはじまりは
いつ? - 中国の「醤」(ひしお)と呼ばれる調味料が原型だと言われています。今日の味噌に近いものは平安時代に日本に渡りましたが、庶民の口には入らない貴重品でした。味噌汁が初めて登場したのは鎌倉時代です。鎌倉時代の武士の中で味噌汁を主役にした『一汁一菜』という食事が確立されたと言われています。室町時代になると生産量が増え庶民にも浸透し食事にも使用されるようになりました。
- 味噌の保存は?
- 味噌購入時の一番美味しい状態を保持するためには、5℃以下になると麹菌の活動を抑えることができるため冷凍庫にいれて保存するのがいちばんおすすめです。塩分が含まれているため硬く凍ることはなく解凍せずにそのまま使用できます。乾燥しないように密封できる保存容器に入れると風味が変化しにくくなります。冷蔵庫でも十分保存できます。
- 味噌にJASは
ありますか? - 味噌にはJAS規格がありません。味噌にはさまざまな種類があり、加熱処理がされていない生味噌は酵母や乳酸菌が生きているため規格を作るのが難しいためです。
- 意外な味噌の働き
- 原料の大豆の成分にはリノール酸が含まれておりメラニンの合成を抑えてくれる働きをしています。そのためシミができにくくなると言われています。
また大豆に含まれているオリゴ糖が腸内でビフィズス菌を増やして腸内環境を整えてくれます。
- 風味を活かす
上手な使い方 - 昔から「味噌汁は煮えばな」と言われています。煮えばなとは味噌汁の表面がぐらっと沸騰する前の状態で、味噌汁に味噌を入れる際は、火を止めてから味噌を加え入れ煮立てないようにすることがコツです。味噌の香りが飛んでしまいます。
- 発酵食品仲間は
相性抜群 - 醬油と味噌、みりん、清酒などそれぞれ発酵食品どうしだと、とても相性が良く独特の風味を造り上げることができます。さらに味噌はバター、チーズなどの洋風なものにも相性が良くおいしくなるのは発酵食品どうしだからなのです。
- ラベルで
情報がわかります - 商品を選ぶ時に大切な、品質表示がよく確認していただけるよう情報が一括表示されています。
味噌の できるまで
米(麦)を
蒸す
大豆を
蒸す・煮る
種麹をつけ
発酵させ
米麹(麦麹)を作る
蒸した大豆を
潰す
米麹(麦麹)・潰した大豆・
塩・水を混ぜる
タンクや樽に入れ、
発酵・熟成させる
美味しい味噌の出来上がり!
知るほど、なるほど! 味噌の効用
和食はもちろん洋食など幅広い料理の調理にご家庭で大活躍の味噌。その科学を知って、さらにおいしく効果的に味噌を使いこなしてみませんか。
消臭効果生臭さを見事に消します
魚や肉など独特の匂いがを味噌煮や味噌漬けなどにすると生臭みが消えおいしく食べることができます。
味噌に含まれる大豆たんぱく質が匂いを吸収する働きがあるからです。
軟化効果肉や魚を柔らかくします
味噌には、たんぱく質を分解する酵素があるため柔らかくなる効果があります。味噌漬けの料理を加熱しても固くなりにくいのはその効果があるためです。
静菌(殺菌)効果塩分が
日持ちを良くします
味噌には、塩分と有機酸が含まれているため、大腸菌などの増殖を止めたり、死滅させる効果があります。味噌漬けや佃煮など、昔ながらの常備菜は、この効果を利用して日持ちを良くしています。
相乗効果だしと味噌は相性抜群
味噌の中のグルタミン酸と、かつお節の中のイノシン酸が働き合うと、深いうま味が作り出されます。このように混ぜ合わせることにより、両方の味が共に非常に強められることを、味の相乗効果と呼びます。味噌汁などが、このよい例です。
料理で使い分ける、 4種類の味噌
中国の「醤(ひしお)」を原型とし、平安時代に日本に渡ってきた発酵調味料「味噌」。
当時は高価であった味噌も、今では日本人の基本調味料として生活に浸透しています。
米味噌
米、大豆、塩を原料として作られたものです。全国で食べられています。
- ご当地味噌
- 北海道味噌・津軽味噌・仙台味噌・会津味噌・佐渡味噌・信州味噌・江戸甘味噌・秋田味噌・越後味噌・加賀味噌・関西白味噌・御膳味噌・府中味噌・広島味噌・讃岐味噌
麦味噌
麦、大豆、塩を原料として作られたものです。九州や中国地方でよく食べられています。
- 郷土
- 瀬戸内麦味噌・九州麦味噌
豆味噌
大豆、塩を原料としてして作られたものです。東海地方でよく食べられています。
- 郷土
- 東海豆味噌
調合味噌
米味噌・麦味噌・豆味噌の中から2種類または3種類で味噌を調合したもの。又は米麹・麦麹・豆麹の複数の麹を混合してして作られた味噌のことです。こだわりが沢山 福井県の味噌の特徴
米こうじが命の昔懐かしい田舎味噌
福井の味噌は、一般にこうじ味噌と言われ、米こうじがたっぷりの 味噌が特徴で、京都に近いことから京都の影響を受けた多少甘めの 赤味噌が特徴とも言えます。
地域のニーズに密着した商品提供
一般に大手流通で出まわっている味噌が、塩分や全糖に幅が無く 平均化しているのに対して、福井県の味噌は、全糖は13~31% (つまり麹歩合5~20と幅の広い原料配合を行っている)、 塩分も、9.7~14.0%と幅が広くなっています。この地域的な特徴を挙げるならば、・山間部は全糖が少なく、塩分の高いことなどから、赤色系の長期熟成型・嶺南は全糖が多く、淡色系の傾向(京都の白味噌の影響もあります)このような分類が出来ます。つまり、福井の味噌は各地域のお客様のニーズにきめ細かく対応 していることがうかがえます。